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特集 土山印刷に新たな印刷機が導入されました!
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特集 土山印刷に新たな印刷機が導入されました!

営業本部 ネットワークソリューションチーム 中元聡一郎
2008.09.15 September vol.31
営業本部 ネットワークソリューションチーム 中元聡一郎
プリプレス 1特集 めざすフルデジタルワークフローの形 土山印刷で構築しようとしているフルデジタルワークフローの形は顧客ニーズに対応するための取り組み 2特集 ノベルティ商品の提案、開発 商品開発は情報収集がカギ。 土山印刷発でユニークな提案を 3特集 最新システムに対応! デザイン関連の最新アプリケーションを導入。入稿、検版などの新システムも視野に。 4特集 土山印刷のCTP デジタル刷版が主流となって工程が短縮し、納期までの作業スピードが格段にアップ!現像の確実性も高まって品質を確保 5特集 カラージーニアスについて RGB画像を最適なCMYKデータに変換。調整が容易になって品質も安定。 6特集 CMSを完成させよう 製版から印刷まで一貫したCMS(カラーマネジメントシステム)を構築しています 7特集 組版、バーコード作成に正確さを追求 何百店という価格の差し替えでも素早く対応。バーコード作成にも正確さを重視しています。 8特集 土山印刷の検版システム 最高6回の検版は各担当で責任をもって実施。デジタル検版も取り入れて精度を追求しています。 9特集 高品位印刷への取り組み〜FMスクリーン、高精細印刷、広演色印刷〜 京都で営業する印刷会社として高い技術力で作った高品質の印刷物の提供をめざし、さらに努力を続けます。 10特集 最新技術を駆使し誠実にものづくりを追求 高品位印刷、Webとの組み合わせなど品質管理を徹底しながら、お客様への提案や新商品の開発を目指します。 11特集 クロスメディアセンター(1) デジタル関連部門をワンフロアに集約。お客様の多種多様なニーズに対応できるクロスメディアセンターを目指します。 12特集 高品位印刷のためのDTPノウハウと事例 最新の印刷機を導入以来取り組んでいるFMスクリーン印刷。品質を安定させるための数々の試みを行っています。
プリプレス 13特集 データの不具合とその解決法 作字 印刷物の制作では旧字体の使用も不可欠。フォントに含まれていない場合は、独自で「作字」して対応してきました。 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24

6色印刷機「LITERONE640-449」
出席者
  赤羽紀久生 氏
グラフィックワーク・コンサルタント/株式会社グラファイン代表取締役
約20年間広告制作に携わった後、デジタルワークフロー構築のコンサルティングや啓蒙活動を行なっている。
日本パブリッシング協会理事長・日本規格協会 高精細度画像データ交換技術標準化調査研究委員会WG2委員
著書:『Adobe Creative Suite 2 プロフェッショナルブック』(玄光社)『PDFプロフェッショナルブック』(玄光社)『進化する紙メディア』(宣伝会議)
Web:『フルデジタルワークフロー入門』(Apple)
中嶋恒雄(土山印刷株式会社 常務取締役)
高橋敬一(土山印刷株式会社 生産本部長)

高橋
赤羽氏とはご縁がありましてご一緒にお仕事をさせていただいておりますが、その中で私どもの印刷業界の動向や今後の姿、また赤羽さんが推進されているデジタルワークフロー(DWF)についてお話をお聞きし大変感銘を受けました。また一緒にDWFでのお仕事をさせていただき、土山印刷で推進しているフローと同じお考えを持っておられると思いました。赤羽氏のお考えや土山印刷の考えを広くご紹介したいと思い今回の座談会を開かせていただきました。
この座談会の内容としまして、「業界のこれからの動向やとるべき姿」についてと「デジタルワークフローという新しい工程」についてお話を伺っていきたいと思っております。

「業界のこれからの動向やとるべき姿」

はじめに印刷業界のこれからの動向や我々の取るべき姿についてお話を進めていきたいと思いますが、まずこの件につきまして赤羽さんの方から総論的なお話をしていただいて、あとはその話の中で個別につっこんだ話をしていきたいと思いますのでどうかよろしくお願いします。

赤羽
まずようやく世の中の企業がこの1、2年で印刷工程の合理化が必要だというのに気付きだしたと思いますね。年間何十億円の印刷物に費用を使っている企業で、億単位のコスト削減というのを打ち出して改革を始めています。改革の中身、目的としては当然コストダウンということにはなる訳ですが、一つには制作料金において、コンピューターで非常に合理的にできるようになったのに、過去の費目のままで、高い料金を支払っていたのではないかということを企業側が感じ始めていまして、その辺で相談を受けることが増えています。実際に制作会社や広告会社から請求されている見積もりを見ることも多いですが、何でこんな数字なの?ということが実は結構あります。一番あるのが費目の間違いで、本来請求するお金というのは、当然仕事に対してすべて一致していなければいけないんですが、それが全く一致していないのが大半です。デザイン料とデータ作成料というのは、一つの工程での作業が可能ですから、二重取りをしているといえるのではないでしょうか。今はコンピューターですべてを行う訳ですから、デザインがそのままデータ作成になる訳で、それを別個に請求するなんていうのはありえないんですが、でも多くがそれを行っているように思います。ほとんどのところでフルデジタルのワークフローにのっとった費目になっていない。その辺をまず変えるように言っています。
印刷の方に関しては、CTPによるスピードアップやコストダウンとかいろいろある訳ですが、そうしたコストダウンというよりも、ワンウェイで完全データを渡して安定して印刷を続けてもらうことによってコストを下げてもらう。なおかつ、複数のいろんな会社で競合してもらって入札をしてもらうと。その時々に仕事の状況に応じて当然価格というのは変動しますから、そういう仕組みを取り入れてコストダウンをしていくべきですよとアドバイスをしています。

高橋
それは製版工程の削減ということですか?

赤羽
赤羽紀久生 氏 まず一つはデジタル化によってフィルムを使わないワークフローになっている分、スキャニングであるとかフィルム出力であるとかの工程はなくなりますよね。そういうことも当然あるのですが、昔は製版部門が印刷側についていた訳ですけど、そのままいくらやっても合理的な仕事にはなりませんので、製版にあたる作業は、デザイン側にくっついている方がいいのではと思います。昔は、印刷物を作る為には一つしか方法がなかったと思います。平台校正機で校正をするとか、あるいは製版フィルムを、大昔は製版カメラを使っていたのですが、非常に高価で大きなシステムがないと印刷原稿というのは作れなかったわけです。今はコンピューターさえあれば、リップにかけるデータというのはどこでも作れてしまいますので、そういう意味では製版部門がデザイン側についても何の問題もないところまで進んでいますね。ですが製版がなくなるということではありません。デザイナーにきれいな写真の再現を求めてもできないですし。ただ一方でそういうデリケートな写真がからまない印刷物というのも山ほどありますから、そういう場合は制作側で直接PDFを保存してしまえば済むようなことになりますね。その辺の選択肢をきちんと使い分けていく為には、印刷側ではなくて、デザイン側に製版的な機能が入るべきだと考えます。

高橋
そうですね。当社も制作工程、製版工程と2つあるんですが、理想は制作と製版が融合されている形だと思っています。しかし我々の会社はそこまでは到達しきれていないというところなので、これからの課題と考えています。また、印刷会社が競合できるような環境にするというのは、どこでも刷れるような汎用性があって、なおかつルール通りのデータを作るということで、それが現状では、PDF/X-1aがあるということですね。 DWFを赤羽さんが提唱されており、お客様の方も印刷はコストがかかり過ぎていると意識されているようですが、お客様から発注する仕組み等はこれからますます変わってくると思われますか?

赤羽
今まではお客様は本業の合理化というところだけに目を向けていましたが、それ以外の部分に目を向けられだしていると思います。そういう意味では意識は変わってきていると思います。ただ、そうは言ってもやはり皆さん印刷に関するプロではありませんから、プロフェッショナルな部分は誰かに頼らざるを得ないだろうなとは思います。そういう意味で印刷マネジメントというビジネスが今注目されているみたいですね。

高橋
発注者側の意識の変化というところで、広告の手法とか媒体も最近かなり変わってきているような気がするのですが、その辺はいかがお考えですか?

赤羽
そうですね。欧米に比べるとまだまだデジタル印刷のワントゥワンの刷り物はほとんど無いに等しいですし、印刷は大量複製のものだという考えからまだ離れてはいないかなという気はしますね。要するにインクジェットの大判プリンターあるいはレーザープリンターも印刷機であるという考えに基づいて、印刷機で出すのとプリンターで出すのを効果的にかつ合理的に分けて使えば良いと思うんですけど。まだまだそこまではちょっといっていないですね。

高橋
そうですね。私たちのほうが技術や経験を活かしてお客様が喜ばれる提案をしていかなければいけないということでしょうか?

赤羽
どちらかというと印刷業界は受け身の態勢でずっと来ていると思うんですが、それを直さないとどんどん買い叩かれるはめになるような気はしますね。 結局広告にしても、単純に出るお金を絞るというだけであって、費用対効果を上げようとかいう趣向ではありませんので。 本来はどんなにお金を使おうがそれに見合う効果があればそれは別に高い買い物でもなんでもないはずなのに、そういう視点になっていないように思います。単純に出費を抑えようとしているだけなので、印刷費なんかも買い叩かれるはめになって、みんなが悪循環に陥っているような気はしますね。それよりは無駄を無くしてそれぞれが利益を手にする構造にすべきだと思います。

高橋
よく出てくる話で、小ロットでどうのこうのってよく耳にしますが、これから我々がやっていかなければいけないのは、個別の提案というかきめ細かな提案が必要だと思っています。それによっておのずと個別というか小ロットになってくるのかという気がします。 我々印刷会社が進む方向というのは、技術力をしっかりベースにしてお客様に有効にタイムリーに提案できるということがこれから必要となってくると考えています。 そういう意味では印刷会社はただ刷るだけではなく、お客様の環境あるいはマーケティングの部分を理解した提案、企画力なんかを身につけていかないとこれからは厳しくなるのでしょうね。

赤羽
そうですね、デジタル化を進めれば、印刷に限らずスピード・コスト・クオリティの向上はできるわけです。僕の場合はそれをやった上で次にタイムリーとフレキシビリティが来ると考えているわけです。デジタル化をきちんとやらないと次のステップに進めない訳です。スピード・コスト・クオリティというのは単にプロダクトの話ですので、これはやることをやれば達成できるはずなんです。これを達成した後で今度はこれをどう活かすかというところで、タイムリーであったりフレキシビリティであったりするわけです。例えば雨の日には雨の印刷物、夏には夏の印刷物、あるいは観光地のピンポイントでの案内だったり、いろいろそういうものが考えられると思うんですけど、そういった自由度を印刷物につけられるかどうかですよね。

高橋
我々印刷会社としては、デジタル化の精度を上げて、ノウハウを構築するということがまず一番肝心だと考えています。その辺りを活かして、いかにタイムリーに、いかにスピーディーに物を提供できるかというような仕組みを今後作っていかないといけないということですね。

赤羽
某大手メーカーが広告費を3割削減すると発表しましたので、その波がさまざまなところに押し寄せてくると思います。印刷会社だけじゃないですけど、企業はコストが厳しくなってくることに耐えられないと、この先厳しいかなと思います。

高橋
ということは内部コストを3割ぐらいは圧縮していかなければ難しいのでしょうか?

赤羽
コストの圧縮も大切ですけど、それよりも生産性を高めるということです。

高橋
厳しい時代ですね。生産性を上げると言われましたけど、生産性を上げても仕事量が少ないのではないかと思っています。仕事量が減ってきているのかなと。

赤羽
もうテレビコマーシャルが成立しないということは企業としては認識していると思いますけど、それでもまだ大金をそこに使っているということは、他にどう使って良いのか模索中だと思います。それを超えるだけの費用対効果をまだ見つけ出せていないと思うんですね。何もしないまま進んでしまうと商品が売れなくなってしまうわけですから、それを良しとはしていないと思います。 印刷産業自体が他のコミュニケーションのメディアに対して、どれだけ費用対効果が高いかということを示していけるかによって、仕事量が変わってくるのではないかと思います。大量複製のまま業界が続いて行くならば競争力がなくなって仕事量が減ると思いますが、そうではなく、もっとタイムリーやフレキシビリティーを活かせるメディアになっていけば、当然仕事量が増えると思います。 大企業じゃないとテレビコマーシャルはしないですけど、地方に行けば小さな会社もやっているわけで、テレビコマーシャルに使っているお金があるのだから、そのお金を使ってもらえばいいと思っています。今やテレビコマーシャルは成立していませんし、ゴールデンタイムなんて関係のない状況ですから。 生産性が高まれば発注者にとっては費用対効果が上がるってことじゃないですか、ということは発注量が増えるはずです。それを紙のせいにするのは間違っていて、インターネットがそれじゃあそんなに便利なのかと言うと、パソコンをずっと持ち歩いているわけではないし、携帯を使っている人をのぞいてみるとゲームをしているばかりだし、本当にネット接続をして十分に利用をしている人って多くないと思っています。紙なら壊れないし、濡れても平気だし、持ち運べるし、そこら辺をきちんと判断すればいいはずなのに、ただネット系の会社は声が大きいですから、そこら辺に負けてしまっているのかなと思いますね。 僕は仕事が減ることによって印刷会社も数が減っていくだろうと思っています。努力した会社は残れるし、いい加減なことをやっている会社が潰れるのは自然なことではないでしょうか。

高橋
高橋敬一 今、日本の印刷機は世に出ている印刷物からしたら多すぎると思います。このような環境の中でいろんな会社が印刷物の取り合いをしていて、まだしばらくそういう競争関係が続いていくのかなと思います。我々もそれに負けないように色々努力はしていかなければならないと思います。現場ではでデジタル化を進化させて売れる商品を開発する。また営業はタイムリーにいろんなものを企画して売ってもらうという関係がこれから必要ですね。 当社はそういうことがしやすい会社だと思っています。大きくもなく、小さくもなくて、ある程度設備も持っているという会社です。大きい会社みたいに色々な部門があって、それぞれの思惑で動いている会社じゃないので、ある意味社長の号令でパッと動けるようなところもありますので、そういう意味では一つの方向性さえきちっと決めればそこに向かって行けると思います。 赤羽さんにその辺も色々御助言いただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

次回は「デジタルワークフローという新しい工程」について掲載します。

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