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FD講演会にて講演させていただきました
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FD講演会にて講演させていただきました

2013.2.15 February vol.84

『働く』『働く場』とは、過大な『期待』ではなく、人生をかけて実現する『夢』をもつ、ということを考えることが必要なのです

本年、一般社団法人京都経済同友会、京都産業大学、京都府立大学、京都文教大、佛教大学、龍谷大学等の産学公の連携による職業教育推進センター「グローカル人材開発センター」が設立されます。育成プログラムの一環として、弊社 代表取締役社長 土山雅之が、FD(Faculty Development:「授業内容の改善」「教える技術や方法の向上」)講演を京都府立大学(2月14日)、佛教大学(2月18日)で行いました。
産学公の連携によって、確かな公共マインドと冷静なビジネスマインドを備えることで地域経済を支える「グローカル人材」育成と、そのための体系的な教育プログラム開発を目的とする、文部科学省大学間連携共同教育推進事業「産学公連携によるグローカル人材の育成と地域資格制度の開発」の活動を今後、グローカル人材開発センターの理事としておこなっていきます。

講演では、京都経済同友会の幹事、印刷業の会社社長を務める立場から、

  • 日本経済の中での中小企業が置かれている現状
  • 印刷業界の現状
  • 企業はどのような人材を求めているか?
  • 大学と企業の人材のミスマッチを解決するには
など、大学に対して、率直な提言や意見を発表いたしました。
発表内容を紹介いたします。

『中小企業の現状と人財戦略』 〜印刷業の事例から〜

1. 日本経済と中小企業
1980年代後半 バブル崩壊より、日本経済は、平均成長率1%弱の低迷を続け厳しい企業間の競争時代になっています。
日本経済において、中小企業は、全企業数の約99%、従業員は、約75%占めており大きな位置づけをしています。
まさに、日本経済の発展と雇用拡大は、中小企業の活性化が不可欠です。
しかしながら、リーマンショック、東日本大震災、原発事故の影響が続き、中小企業の景況は厳しさを増しており、企業には独自性を追求した差別化が求められています。
そのためには、企業変革が必要であり、それを支える高度な人材確保が急務な一方、現実的には、高卒、中間採用が重視され、大学卒や新卒採用の比重が低いのが実状です。企業側としては、人材不足解消のためには、即戦力になる人のニーズがあります。
企業側のニーズに応えられ、即戦力となり、なおかつ、中長期の企業変革を担える力を兼ね備えた人材が求められています。
そのために、より一層の産学公民の連携による人材育成や、採用等のマッチングが不可欠ではないかと考えます。

2. 印刷業の取組み
印刷業界の現状は、年々出荷額が落ち込み、非常に厳しい状態で、生き残りの戦略を求められています。
米国の印刷業界の例が、非常にわかりやすいのでご紹介します。
紙の媒体の印刷需要は、減少傾向にあり、2000年から2010年までで5%減少します。それは、多くの企業が、広告宣伝費の削減をおこなったことや、SNS(ソーシャルネットワーキング・サービス)、インターネットなどのメディア媒体が多様化したことが要因と考えられます。
しかし一方、デジタル印刷、および、印刷付帯サービスは高成長を続け、特にデジタル印刷は2000年から2010年の10年間で年間平均7%の成長がありました。
また、印刷需要で5%の減に対し、印刷企業30%減で、企業の急激な集約化が進んでいます。ここに、個別企業の戦略の優劣による企業の淘汰が、進んでいることがわかります。
印刷業だけの業者は、淘汰され、

  • デジタル化(例 デジタル印刷、web to Print)
  • 高機能化(例 建装材、半導体)
  • ソリューション&アウトソーシング(例 クロスメディア、物流支援)
  • ビジネスモデルの進化(例 特化・多様化、ワンストップサービス)
などの業態変革を行っていく必要があります。

3. 当社事例
当社の人材戦略取組を紹介させていただきます。

  • ビジネスモデルの確立
    社長の専管事項、グローバルメーカーのマーケティング担当グループマネージャー中途採用、営業社員のマーケティング力強化
  • 東京支店の開設
    現地営業社員・製造管理社員の中途採用、京都からの社員転勤、チームビルディングに苦心
  • 独自性のある企画会社の設立
    実績ある企画会社社員の中途採用、芸術系大学より新卒採用(2013年4月設立予定)
  • グローバル調達の推進
    グローバル調達マネージャー経験者の中途採用、生産管理社員の教育
  • 情報通信技術環境の整備
    デジタル系社員の活用、定着向上に苦心

経営戦略としましては、中間採用を活用、基幹人材との融合を目指し、人柄と柔軟性、コミュニケーション能力に優れた大手企業のマネージャーの採用に注力しました。
業態変革を実現するにあたって、中小企業においてグローバル、マケーティングに長けた人材が不足しており、また、社内育成については、ノウハウがないと考えます。そのために、優秀者の中途採用を行い、基幹社員との融合ができればと思います。
IT担当の専任化、定着は、中小企業にとっては難しいため、非常に苦心するところです。
中途採用者のノウハウを基幹社員が受け継ぎ、社内ノウハウと融合をさせて発展させることが今後のポイントだと思います。

大学生に期待するものとして
経営幹部候補として

  • 優れた実務担当者であること
  • 全体像を把握できるジェネラリストであること
  • 立場によって、リーダーとフォロワーを使いわけられること
  • 事業変革者(チャレンジャー)として、商品と市場開発にネットワークを構築できること
  • 常に時代に適応できる学習者であること
スペシャリストとして
  • マーケティング、クリエイティブ、グローバルのいずれかに専門性を有すること
  • 一専多能的、ジェネラリストの一面を有すること
  • 顧客にむいてコミュニケーション能力を発揮すること
などがあります。

4. 提言
最後に、地域経済を支える「グローカル人材」育成に向けて、提言させていただきたいと思います。
「働く」「働く場」とは、過大な「期待」ではなく、人生をかけて実現する「夢」をもつということを考えることが必要であり、考えるきっかけとして、産学交流の場づくり(座学、インターンシップ)を行うことが大事です。
また、業界(企業)と大学(研究室)間で「工場見学」や「勉強会・交流会」を通じて「会社」やまた、「仕事」のイメージを広げ、人間関係を構築していくことが大事ではないかと思います。
中小企業の問題意識、大学における研究の場(知恵の創出)、大企業などの専門家・実務家の知識、ノウハウなどを融合することで、発展する地域経済、地域産業に向けて業態変革をいかに起こし高付加価値化するか、「企業」と「大学」間で共同研究を行うことが大切だと思います。

以上、40分間の講演でしたが、聴講の大学の先生・学生の方々には熱心に聞き入っていただきました。
講演終了後の質疑応答も活発な意見交換が行われ、今後の活動への大いなる飛躍となる講演会でした。


活発な意見交換が行われました

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