どこの会社も採用には苦労していますが、特に中小企業は大手企業より遥かに厳しいものです。
リクルートワークスの調査では、2022年採用予定の有効求人倍率は、300人未満の中小企業は3.27倍から9.91倍なのに対して、300人以上1000人未満の企業は0.86倍から1.51倍、5000人以上の超大手企業にいたっては0.37倍から0.70倍とすさまじい差がついています。大手企業は人材を選び放題なのに対して、中小企業は募集しても募集しても人が来ないという、すさまじい採用格差が起きているのが今の採用です。
この記事では、このような採用格差が起こる理由について、また格差を少しでも縮めるため中小企業ができる工夫についてお伝えします。
中小企業の採用が難しい理由
まずは、なぜ中小企業の採用がこれほどまで厳しいのかという理由を考えてみましょう。
売り手市場であり、大企業が強い
日本の採用活動は、企業の募集情報を求職者が見て、その企業にエントリーを行うことでスタートします。つまり、スタート地点ではどの企業を受けるのか決めるのは求職者側なのです。そのため、どうしても名前だけでエントリーしたくなるような大企業が圧倒的に強くなる一方で、中小企業はその分野によほど関心がない限りはめったに選ばれることがありません。新卒採用でも、中途採用でも、これに変わりはないでしょう。
そのため、小さな企業ほど最初の採用者の数はわずかになります。
採用コストがかけられない
マイナビによる2019年の採用の統計には、一部上場企業と非上場企業の就職にかける費用の差が載っています。それによれば、採用活動に一部上場企業がおよそ1783万円を掛けているのに対して、非上場企業はおよそ375万円しか採用活動にお金をかけられていません。5倍近く費用の差があるため、当然派手な採用を行うのは難しいでしょう。
知名度がない
知らない会社を就職先に選ぶのは、求職者にはかなりの勇気が必要です。自分の生活が懸かっている以上、できるだけ安定しており、かつ自分の得意なことを活かせる会社を探すものです。知名度がない、何をやっているのかよくわからない会社を優先して選ぶ人はまずいません。
他企業と比較したときに優位性がない
一般的な就職サイトに掲載される項目として、例えば給料、福利厚生、休暇、主要な商品、上場などがあります。このような項目を同業の大手企業と比較して、中小企業側に何か一つでも優位な点があるかといえば、たいていの場合ありません。大手企業と比べて給料は安く、福利厚生は悪く、休みは少なく、商品はあまり有名とはいえず、上場は夢のまた夢というのがたいていの中小企業の現状でしょう。
当然ながら就職する側は、そうした項目で有利なほうを選ぶでしょう。
採用に関するノウハウやリソースがない
求職者の側も企業を見ています。特に色々な企業から求められるような優秀な人材ほど会社側が就職に力を入れていないことを見抜き、たとえ内定をもらったとしても自分から辞退してしまいます。
例えば、説明会で企業側の説明があいまいだったり、面接予定の通知が遅かったりすれば、この企業は人材をぞんざいに扱うか、あるいは既存の人材が優秀ではないのだ、と思われてしまいます。
ただでさえ大手企業と比較されるのに、さらに悪いレッテルを張られたなら余計に採用活動に支障をきたすことになります。
中小企業が採用課題を解決するためにやるべきこと
かくのごとく難題が山積みになっている中小企業の採用活動ですが、難題に仕事への熱意をぺしゃんこに押しつぶされる前に、やってみるべきことは色々と存在します。
自社のイチオシポイントを作る
身も蓋もないことを言えば、中小企業は給料や福利厚生ではまず大手企業に勝てません。
ですが、今働いている社員からすれば、何か会社にいる理由があるでしょう。例えば、幹部社員の人柄にひかれた、とか、やりたい仕事があった、とか、特定の技術では大手よりも上にある、とか、社風が自由で風通しがいいため働きやすい、など、何かいい部分があるはずです。
今働いている社員の言葉をそのまま伝えることで、給料や福利厚生以外の点で差別化ができるようになります。
採用専用のページを作る
ホームページにそのまま採用のページを作るのではなく、ドメインを変えて採用専用のページを別建てするのは良い施策です。
なぜなら、ホームページは幅広い顧客を集めるためのものであって、求職者向けのものではないからです。ホームページには確かに会社の理念やIR情報、商品などが載っていますが、そこで働いている姿を想像してもらうには情報が足りていません。
加えて、採用ページを別建てしなかった場合、アクセス数やページ滞在時間の計測がホームページをチェックしに来た閲覧者と混じってしまい、掲載内容の有効性を計測するのがとても難しくなってしまいます。
ランディングページの形で採用サイトを別途作るなら、安価かつ素早く制作が行えます。
動画コンテンツを作る
職場で働いている姿を撮影し、動画サイトに投稿するのも採用には効果的です。
1981年から1994年の間に生まれた、多くの企業で若手-中堅として働いている「ミレニアル世代」や、1995年以降に生まれたいわゆる新卒世代の「Z世代」への2017年のアンケート調査では、ミレニアル世代のおよそ8割、Z世代の9割以上がYoutubeなどの動画サイトを最低でも週数度、多い場合は毎日視聴していることが明らかになっています。
このような世代に対して、もっとも簡単に訴求できるのはやはり動画と言えるでしょう。
そのため、採用動画を制作することをおすすめします。
難しく内容を考える必要はなく、基本的には会社紹介で普段話すような、「トップメッセージ」「一般的な社員の一日」「社員へのインタビュー」「職場の映像」などを映像形式でまとめるとよいでしょう。
また、一度動画コンテンツにしてしまえば、就職説明会などで毎回原稿を準備しなくても、動画を流して説明の代わりにでき、準備時間を有効活用できるようになります。
SNSなどと連携して積極的に情報発信をする
会社の評判を聞くために求職者が行うこととしては、Google検索のほかにはSNSのチェックがあります。例えばFacebookやTwitterなどで企業がどのような情報発信をしているか、社員がどんな仕事をしているのかを確認して、就職後の姿をイメージします。
SNSの強みは、自社のWebページよりも遥かに更新がしやすいこと、個々人の発信がしやすいことです。弱みは、その瞬間瞬間しか良い情報が伝わらないこと、連携を取らないとばらばらのメッセージを送ってしまうことです。
そのため、SNSを使った発信の前に、ブログサービスなどのより流れづらい情報を伝える場と連携を行うのがよいでしょう。そういった場に情報を蓄積していけば、コンテンツマーケティングにつなげることもできます。
欲しい人材(ターゲット)のイメージを具体的にする
「熱意のある人材」や「やる気のある人材」など、抽象的な表現で人材を探しているなら、それをやめましょう。熱意ややる気のある人材というのはどの企業も求めており、「優秀ならどんな人材でも構わない」と言っているのと変わりません。
いい加減な言葉を使うのをやめ、もっと明瞭な形で欲しい人材を求めましょう。
例えば「会計・簿記について十分なキャリアと知識を持っている人材。簿記検定2級以上が望ましい」や、「営業担当者募集。toBの顧客に印刷物を提案する業務。新卒採用のため、知識は求めていないが、相手の要望を聞き出す能力を求める。したがって、学生時代に誰かの要望を上手く汲んで行動した経験がある人物を望んでいる」など、できるだけ詳しく求める人材の要件を求職者に伝えましょう。これは1度に小人数しか採用しない、中小企業の採用だからこそできることです。
これに加えて、
- 現実味のある採用要件
- 前述した一押しポイント
- これまでどんな人材が採用決定に至っているかの詳細
- これまで紹介を受けた候補者の良かった点、悪かった点
などをきちんと伝えれば、それだけ目的意識を持った求職者を集めやすくなります。
また、人材エージェントに依頼するときにも同じようにターゲットを明瞭にしておけば、それだけ絞り込んだ人材を紹介してもらえるでしょう。
まとめ
中小企業の採用は大変であり、人事担当者の方はぎりぎりでやりくりしているでしょう。だからこそ、少ないリソースを有効活用し、大企業とはまた異なった人材を獲得する工夫が必要です。この記事が少しでも人事担当者の方のヒントになったなら幸いです。
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