公開日: 2020年1月25日 - 最終更新日:2020年3月13日

カタログ制作におけるマーチャンダイジングとは

土山印刷 公式
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マーチャンダイジングとは

マーチャンダイジング (略称:MD) とは、消費者の欲求・要求に適う製品を、適切な数量、適切な価格、適切なタイミング等で提供するための企業活動のことです。

マーケティング活動のひとつとして位置づけられることが多いです。

消費者と直接関わる商業の場で行われるため、主に流通・小売業界で用いられる概念とも言われています。

しかし実態は、仕入れ、販売、管理などの業務フローについてのマネジメント・コントロールであり、マーチャンダイジングは経営マネジメントの概念のひとつとして捉えるべきともされています。

参照:wikipedia「マーチャンダイジング」
https://ja.wikipedia.org/?curid=683626

カタログ制作におけるマーチャンダイジングとは

さて、上の章で「マーチャンダイジングとは、消費者と直接関わる商業の場で行われるため、主に流通・小売業界で用いられる概念」と解説しました。

では、店舗を持たない企業や、BtoB企業においてマーチャンダイジングは行えないのか、というとそうではありません。

販促活動のために制作しているパンフレットやカタログがあれば、それを店舗に見立ててマーチャンダイジングを行うことができます。

つまり、店舗を持たない企業や、BtoB企業を含むほとんどの企業の販促活動において、マーチャンダイジングを行うことができ、マーチャンダイジングを行うことで、業務フローのマネジメント・コントロールもしやすくなるということです。

弊社のカタログ制作におけるマーチャンダイジングは、下記の5項目で行います。

 

① マーチャンダイジングスタンダード(情報の優先配列)
② スペースマネジメント(情報の最適配分)
③ レスポンスアップ(反応促進策)
④ パレート最適(新製品追加の法則)
⑤ モジュール構造(スペース配分の数値管理)

土山印刷も、店舗を持たないサービス業を生業としております。

次の章から、マーチャンダイジング5項目について、弊社のサービスを例に解説していきます。

マーチャンダイジングスタンダード(情報の優先配列)

初めに、今回の例に使う弊社の4サービス(カタログ制作、DM制作、店頭POP制作、BPOサービス)を紹介します。

マーチャンダイジングスタンダード(情報の優先配列)とは、情報の優先配列のことです。

例えば店舗に製品を並べる時、入り口からお客様の順路に沿って製品を並べていくと思います。

売りたい製品順、売れている製品順など、製品に優先順をつけていきますよね。

カタログでも同様に、掲載する製品の優先順をセールスシェアの大きいものから順につけていきます。

これをマーチャンダイジングスタンダード(情報の優先配列)と言います。

 

これを踏まえて、土山印刷の4サービスを並べてみましょう。

4サービスのセールスシェアは下記の通りです。

ということは、次のような配列になります。

なぜ、セールスシェアの高い順に配列するのか

「セールスシェアが高い製品」とは、つまり「自社を代表する製品」ということです。

その製品を初めに持ってくることで、「自社を代表する製品はこれです!」と顧客へ周知することができます。

土山印刷の場合は、「カタログ制作」がセールスシェアの50%を占めているため、サービス紹介カタログの初めに「カタログ制作」を掲載することで

「土山印刷はカタログ制作をメインにしている印刷会社なんだな」とお客様に認知していただける。ということですね。

では、掲載する順番が決まったところで、カタログ紙面の構成について考えてみましょう。

スペースマネジメント(情報の最適配分)

スペースマネジメントとは、情報の紙面配分のことです。

店舗でいうところの製品による売り場面積の配分ですね。

各製品につき平等に売り場面積を割り当てるのではなく、生産性を上げるためには情報の最適配分が必要になります。

つまり、前章同様に製品に優先順位をつけ、最適な売り場面積(紙面配分)を割り当てることが、カタログを用いた販促活動の生産性を上げることになるということです。

 

では、製品の優先順位はどのようにつければ良いのでしょうか。

前章と同じく、セールスシェアを視点から考えます。

セールスシェア(販売率)=スペースシェア(配分率)とします。

これを、S=Sの原理と言います。

 

土山印刷の4製品のセールスシェアはこのようになっていました。

そしてマーチャンダイジングスタンダードから、製品配列はこのようになります。

カタログの見開きページ全体を1と置き、セールスシェアの数値から紙面を割り当てていきます。

これがスペースマネジメント(情報の最適配分)の考え方です。

レスポンスアップ(反応促進策)

レスポンスアップとは、顧客の反応を促進する手法です。

「上から下、左から右」の視線の流れに則して「注目⇒興味⇒納得⇒欲求⇒行動」へと誘導する仕組みです。

カタログの例ではこのようになります。

自分が注文する側になった時、カテゴリ分けやオプションの追加、発注フローを分かりやすいサイトやカタログは何度でも利用したいと思いますよね。

どんなに良い製品を取り扱っていても、お客様に製品の魅力を知ってもらい、注文してもらわなければとてももったいないです。

紙面を「探しやすく・解りやすく・求めやすく」構成することは「おもてなし」の施策です。

パレート最適(新製品追加の法則)

前の章まででは、既存製品の陳列について説明してきました。

では、新製品ができた時はどのように考えたら良いのでしょうか。

その疑問を解決するのが、パレート最適(新製品追加の法則)です。

参考:weblio辞書「パレート最適」
https://www.weblio.jp/content/%E3%83%91%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E6%9C%80%E9%81%A9

ここでのパレート最適とは、「スペース配分においていずれの効用も下げず、効用の最大化が図れている状態」のことを言います。

これを新製品追加の場合に当てはめると「新製品の追加によって既存製品を圧迫せず、新製品の登場感(存在感)もアピールできる紙面構成の状態」にする必要があるということです。

弊社では、新製品の紙面割り当てを20%に設定することを提唱しています。
(10%では登場感を演出できず、20%以上では既存製品への障害が発生する。)

 

ここまでは、カタログ紙面の構成についての手法や考え方をご紹介してきました。

項目の中で「製品のセールスシェア(売上)」に基づく配列順序や紙面配分の話がありましたね。

ということはつまり、カタログ制作を進めるにあたっても、売上などのデータとの連携が必要ということになります。

次の章では、カタログの紙面情報と売上などのセールス情報を一括で管理する方法を紹介します。

モジュール構造レイアウト(スペース配分の数値管理)

モジュール構造レイアウトとは、紙面の規則的分割のことです。

1ページに対しての専有面積を数値化し、スペースマネジメントの指標として管理します。

各製品に対し、「どのページ」に「どのカテゴリ」で「どれくらいの紙面配分」で掲載されていて「売り上げはどのくらいか」を1つの表にまとめて管理することができます。(情報の正規化)

このようにセールス情報とカタログのレイアウト情報を数値で一括管理することにより、販売促進活動の効果計測・分析が可能となります。

次の施策企画の根拠的データにも使うことができます。

 

いかがでしたか?

製品カタログ制作の改善、販促活動の効率化に興味がある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

貴社の販促活動に合わせて提案させていただきます。

 

この記事を「カタログ制作の基礎知識ハンドブック」として編集致しました。

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土山印刷株式会社は京都府に本社を構える印刷会社です。 土山印刷では紙の販促物を使って営業力を強化したいお客様のお手伝い・サポートを行っております。
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