公開日: 2018年8月6日 - 最終更新日:2020年6月24日

橋本鉄也マーケティングコラム 急速に進むBtoBカタログのデジタル革新|マーケティングコラム

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当社では『印刷のプロ』として、ハード面の品質(RGB6印刷や、カタログ診断、カラーマネジメントシステム等)だけでなく、ソフト面(マーケティング理論に基づく紙面デザインやDMのBPOサービス)でもお客様のお役に立てるよう、日々努力を続け、実績を上げております。今回は当社と懇意にさせていただいているDAM CREATIVE代表橋本鉄也氏執筆によるコラム『BtoB企業のカタログの革新』を全3回に渡って紹介させていただきます。Webファーストの観点から見たカタログDTP制作の考察は必見です。

カタログに求める結果とは?

カタログを発行する場合、求める結果は、売上アップというのが一般的ではないでしょうか?

有料出版物やECサイトなどは、売上と直結しているケースが多く、数値判断が一目瞭然です。

しかし、BtoB市場の購買行動プロセスは、商品を「知る」、「検討する」、「選ぶ」という段階があり、さらに3つのフェーズに細分化されています。

このフェーズ毎には、企業内(部門間)での報連相や承認作業が必要になります。そのため、購入までの期間が長く、売上アップという結果を出しているかの判断が非常に難しいといえます。

色々なタイミングで登場するカタログ

前段の購買行動プロセスで説明したように、営業は顧客に対して 「知る」、「検討する」、「選ぶ」の細分化されたフェーズをクリアしていく営業を行います。

ではBtoB市場で求められるカタログの役割とはなんなのでしょうか?購買行動プロセス3段階すべてで登場するカタログは、様々な役割を担うことができます。

例えば、購買行動プロセスの「知る」では、問題認識や課題解決できること喚起させ、「検討する」では、競合との比較や差別化できる特徴を提示します。

「選ぶ」段階でも費用交渉時の仕様決めや稟議申請を行うための添付資料としても使われています。このように、様々な役割を担うカタログには、膨大な情報を詰め込む必要があるともいえます。

カタログに求める機能

様々な役割を担うため、膨大な情報を詰め込む必要があるカタログは、顧客が必要な情報を分かりやすく、簡単に入手できる機能が重要です。

しかし、限られた誌面で実現するには、整理された情報と洗練されたクリエイティブが求められます。

さらには顧客に商品理解をより深めてもらうため、商品のメリットやイメージを疑似体験してもらうために商品ストーリーを求める傾向も強くなっています。

カタログに求める結果と役割をしっかり定義することで、ビジネスモデルにマッチしたカタログが見えるのではないでしょうか。

負担が増えるデジタル化の波

カタログは、役割と結果をしっかり定義することでおのずとカタチが決まります。ですが昨今、情報の入手経路に変化が起こり、定義する基準が増えてきました。

そう、Webやスマートデバイスの普及です。Webやスマートデバイスの急速な普及でBtoB企業の中でデジタル化の波が押し寄せてきました。

スマホ・タブレットからいつでもどこでも、社内外の情報へアクセスすることができるようになり、とても便利になりました。

しかし、便利になる反面、情報入手経路の増加で情報自体が膨大に増えたのです。これにより担当者は、取捨選択が増えることのメリット・デメリットを味わうことになります。

自社にとって最適な商品やサービスを探し、選択することは、BtoB市場の購買プロセスのフェーズでは、とても労力がかかることなのです。当然ですが、カタログにも色々な要望が増え、対応しなければなりません。

役割が増えるカタログ

デジタル化に伴い、紙とデータの両方が必要になり、さらには様々なデバイスに対応することを望まれます。

これにより、困った問題が起こります。そう、予算の圧迫です。様々なデバイス対応やカタログ自体にも要望が増えてくることで、作るコストが増えてくる現象が起こるのです。

カタログデータの普及で、紙カタログが果たしていた役割や使い方も少し変わることになります。

しかし、BtoB市場での購買行動プロセス(買い手)に合わせたマーケティングを行わなければ、成果をあげることができません。

求める結果と役割によっては、すべて作らなければならないこともあります。

顧客に多くの情報を届けるメディアミックスから、顧客をいかに動かすかを意識した情報導線(ストーリー)でニーズの高い顧客を発掘するクロスメディアマーケティングが有効になってきます。

メディアミックスとクロスメディア

デジタルに求めるカタログの強化

一般的にデジタル化で速さや便利さがもてはやされますが、デジタルの利点で一番のメリットは、「つながる」ということです。

しかし、その利点もアナログである生身の人間には、デジタルは浸透しにくいものだと感じています。

深く浸透させるには、顧客とのコミュニケーションや情報伝達の強化が重要になり、クロスメディアを使って相乗効果を求めることが先決です。

さらには顧客に商品理解をより深めてもらう方法として、商品のメリットやイメージを疑似体験してもらうためのストーリー性や音声や動画などが使えるデジタルは大きな利点といえます。

紙カタログにおいては、顧客訪問のきっかけ作りから、話題、企業イメージも含め、まだまだ価値があり、デジタルにつなぐことの入口にしているケースも多くあります。

デジタルとアナログの情報伝達をどのようにつないでいくかの導線設計が成功するポイントだと考えています。

多様化するカタログ作りの効率化

前2回を踏まえて、カタログに求める役割と結果のイメージ、それを実現させるマーケティング設計はできたかと思います。

さて様々な要望を満たすためのカタログは、効率よく作れていますか?

毎日作られている新聞や世界同時に大量出荷する製品の付属マニュアルなどは、専用システムで作られていますが、一般的なカタログを作るためだけでは投資・運用コストが見合いません。

しかし、全体の効率化はできなくても、ボトルネックとなるプロセスがあるはずです。

それはどこ?であるかの調査が必要です。完全自動化のシステムを作らなくても、部分最適をすることで全体がスムーズに流れることも十分考えられます。

制作では、作業プロセス毎にボトルネックとなっている部分と理由があります。

改善しやすい部分とそうでない部分があり、どこのプロセスを効率化するべきかの判断がポイントです。自動化しなくても、工数削減ができることも多々あります。

作業プロセス 工数チェック
情報入手 入稿する商品情報はどのように入手するのか?整理は必要なのか?
情報整理 入手情報の精度、同じフォーマットなのか?加工レベルは?
クリエイティブ デザインフォーマット、DTP、素材作成などの個々の作業ボリュームは?
校正チェック チェック内容と変更レベルは?承認部門は?
ガントチャート分析サンプル

データはあるけどそれは使えますか?

カタログデータはどんな管理をしていますか?

データを管理すると言っても1つではありません。例えばカタログですが、素材(仕様、写真、図面など)から構成され、それぞれ個々のデータが存在します。

それらを整理し、デザインすることでカタログができます。その際にはデザインデータがさらに発生することになります。

この時点では、元の素材データとは似て非なるデータになっていることが多々あります。制作段階での修正やデザイン処理による加工です。

データ内容からファイル形式に至るこれらすべてのデータを管理することは、果たして必要なことなのでしょうか?

管理するとどんなメリット・デメリットがあるのか?それは自社でする必要があるのか?も踏まえて検討することが効率化への最短ルートです。

効率化のススメ

人工知能や自動化などの導入で変わりゆく、働く環境やシステムと同様に、情報をうまく管理・使いこなすことで、柔軟な対応を実現することができます。

求められる役割と結果によって、作るべきものが決まります。その中で無駄な工数を減らし、最適な工数をかけます。

効率化は品質を下げるものではなく、内容にも優先順位をつけることで、無理無駄を抑えることが理想です。

これら理想を現実にするには、役割と結果を設定し、設計段階でできるだけ詳細にプロセス分析することをおススメいたします。

 

橋本鉄也(はしもとてつや) 略歴

制御系システム開発会社でエンジニアを経て、クリエイティブの世界へ転身。企業のマーケティングサポートや大量ページの自動化を初め、CTP・オンデマンド印刷事業を構築。昨今では人工知能・IoTを使った、働き方が変わるデジタルマーケティングシステムを構築・サポートするDAM CREATIVEを設立。クロスメディア向けコンテンツデータベース構築を推進するウェブファーストを出版やセミナー講師など。

働き方が変わるデジタルマーケティング
ダムクリWebサイトはこちら→ http://dam-creative.jp

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