皆さんは、印刷物の特色が、ご希望通りの色味にならずに困ったことはありませんか?
「DIC等の特色見本を印刷会社に渡してこの色で刷ってほしいと依頼したのに、ちがう色味で印刷された。」 「クライアントが希望している色がなかなか出なくて苦労した。」 等々。。。 当社では、このような困り事を解決&業務効率化のため、2024年2月、特色インキを製造できる インキ調色システム「調色名人」を導入しました。
このシステムは、手動で作っていた特色インキを機械に作製させることで、安定して誰にでも作れるようにするものです。 今回は皆さんに、このシステムについてレポートをお届けしようと思います。
そもそも特色とは?
特色とは、通常のプロセスカラーCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)では表現できない色を、より忠実に再現するために特別に調合したインキのことです。
ベースとなるインキを様々な配合で調合し色を再現しています。 また、色と色を混ぜ合わせて新しい色を作ることを「調色」といいます。
導入前の特色の作り方
①ターゲットとなる色を目指して新しく作る。
- ターゲットの色に対して必要なベースインキの調色を行う(経験と直感を必要とする職人技)。
- 調色された特色とターゲットの色を比較し、配合量を微調整する。
- 精度を高めるには、微調整を何度も重ねる必要があり、高い技術や多くの時間が求められる。
- 微調整を繰り返すと作り過ぎとなり、無駄な廃棄にも繋がる。
②各インキメーカー発行のカラーガイドから色を選択する。
- カラーガイドに記入されている配合を元に、手動でインキを計量して調色する。
- それぞれのカラーガイドは各メーカーのインキを使用して作製するため、メーカー毎のインキが必要となる。
- ベースとなるインキをあらかじめ保管しておかないと対応できないため、場所とコストがかかる。
③メーカーに色原稿を渡して作製依頼を行う。
- インキメーカーに色原稿を渡して必要な分量の特色を納品してもらうことになる。
- メーカーにもよるが納品されるまでに2〜3日以上かかる(即応はできない)。
- 使用量をあらかじめ予測して作ることになるため、多めに作る必要がある。印刷を開始してからインキが足りない!となってもすぐには追加を用意できない。
- 少量での作製は単価が高く、単価を抑えるために多量に作製し、結果使い切れず不良在庫になることがある。
- インキ代の他に輸送料がかかる。
- 実際に印刷してみてターゲットの色と違う場合、調色+印刷をやり直す時間がない。
「調色名人」は、上記①・②を大幅に改善! また、自社で調色可能なため③はそもそも不要です。
①ターゲットとなる色を目指して新しく作る。
→「調色名人」で行うと
- スキャナーで色を読み取るとコンピューターカラーマッチングシステム(CCM)が自動で色分解+配合。
- 必要な分量(g単位)を入力すれば自動でインキを作製+攪拌。
- 展色機で色を展開し、印刷された時の色味の確認も可能。
- 展色された色をスキャナーで読み取ることでターゲット色と直接比較し、微調整も可能。(⊿Eでの比較)
②各インキメーカー発行のカラーガイドから色を選択する。
→「調色名人」で行うと
- 各メーカー(DIC・TOYO・PANTONE)のカラーガイドは、最初から約13000色以上(コート紙・上質紙)登録されており、導入後すぐにインキを作製することが可能に。
- 「調色名人」開発メーカー 谷口インキの10色(墨・藍・紅・黄・金赤・紫・グリーン・マゼンタ・ピンク・メジューム)で全色再現されており、メーカー毎のインキを用意する必要はありません。
「調色名人」メリット まとめ
- 必要な色を、必要な時に、必要な量だけ作製可能なので作り過ぎが発生しない。
- 操作方法を学ぶだけで誰にでも調色が可能になる。
- 作製所要時間は10分~15分程度! 大幅な効率化を実現。
- ベースとなるインキはカートリッジ式で必要分だけを抽出して使用するため、無駄な廃棄が発生しない。
- 配合表をリスト化して保存できるようになっているので、いつでも再現が可能で、次世代へ継承できる。
- メーカー発注より安価で作製が可能。(当社比3~6割減)
- 微調整も機械側で色を読み込んで再配合が行われるため、「技術」や「勘」を要しない。
高い色再現性をお望みなら、ぜひ土山印刷へご相談を!
「調色名人」を導入しているため、特色印刷の場合でも、当社では高品質・低コストの印刷が可能です。 商品ブランディングには、鮮やかな色再現やスピーディーなご対応が不可欠です。 美しく・早く・確実な特色印刷は、ぜひとも当社へご連絡ください。