要石マーケティングとはどのようなものなのでしょう。
はじめて「要石:かなめいし」という言葉を知りましたのは、今から30年くらい前かと思います。英語でkeystone(キーストーン)と呼ばれるものです。
アーチ状石橋の中央部分の石をキーストーンと呼ぶようですが、それではありませんでした。
また、鹿島神宮の境内に要石と呼ばれる石を見に行ったことがあります。
大きな岩の先端が地上に突き出たもののようですが江戸時代に水戸光圀公(黄門様)がどのくらい深いのか掘り起こそうとしましたが、どこまで掘っても掘り起こせなかったそうです。
その、要石の下には大きなナマズがいて要石に押さえつけられているので地震が水戸藩には起こらないと信じられていたようです。
(迷信をあばこうとして、助さん角さんに掘らせたのでしょうか?そんなわけないですね)
その要石でもありません。
そのときに言われていたキーストーン=要石とは囲碁の黒碁石のことです。
囲碁では黒碁石が先手を打ちます。押さえるべき位置に確実に先手を打つのが要石マーケティングのキーストーン活動です。
先手黒碁石を打つキーストーン活動。
キーストーン活動とは売場を最も生産性の高いものにするための活動です。
メーカー社、販社としての売場とは
○websiteではその各ページ
○商品カタログの各ページ
○店舗販売では各店頭
になります。
この、各々の売場をサイトと呼びます。
生産性の高い売場を実現するためには、サイトの状況を把握する必要があります。
その作業がサイトパトロールです。
客導線のサムネールの事例で状況を確認してみましょう。
要石マーケティングでのキーストーンプログラムはまず、客導率の高い場所を確実に押さえる活動から始まります。
(1)生鮮食品側ゴンドラエンド
(2)定番位置
(3)レジ前
(4)催事コーナー
などを確保していきます。
次に、確保した場所ごとに生産性の高い施策を行います。
これがスペースマネージメントです。
スペースマネージメントは販売比率に応じてそのフェース数を配分する原理です。
売場ごとに最適なスペース配分計画を立て売場責任者の方に提案を行い、スペースマネージメントを実施します。
グッドウイルの醸成が大事です。
さて、この「最適なスペース配分計画」ですが、どんなに有益なプランであっても、相手に提案を受け入れてもらえる関係ができていないと、スムースな提案活動が進められません。
日ごろから売場責任者の方との友好関係を作っておく必要があります。
これがプランドコールあるいはホスピタリティセールス活動です。
売場活性こそがキーストーン(要石)活動の目的です。
要石マーケティングは競合の売り上げを奪って、自社売り上げを伸ばすものではありません。
それでは、単に売上商品が移行しただけです。
その売場全体の売り上げを伸ばすための施策提案がキーストーン活動です。
場合によっては、自社フェース数を削る提案になることもあります。
競合という表現をつかいましたが、もはやその表現は要石マーケティングの観点からは古いかもしれません。
いままでのライバルは同業同カテゴリーの共創相手として互いに売場活性のための活動を行う仲間です。
製品を創り、販売し、購入する。これらの人たちにとって、最良の状態にするための活動が要石マーケティングのキーストーン活動です。
みなさん、ぜひこの活動に取り組んでみませんか。