公開日: 2020年8月24日 - 最終更新日:2020年8月24日

土山式効果流:デザイン・マーケティング忍法万川集海④「スーパーと広告の共通点~導線とスペースマネジメントの術~」|マーケティングコラム

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土山印刷は100年に渡り、DMやカタログ、チラシを使ったマーケティングを行ってきました。
100年かけて連綿と受け継がれ、ブラッシュアップされてきたデザインとマーケティングの術は、ちょうど忍術のように秘伝となってきました。
しかし、これまで社外にはお見せしなかったマーケティング術を、特別に公開していきます!
甲賀流忍術の書『万川集海』ならぬ、土山式”効果”流のデザイン・マーケティング術、ぜひともご覧ください。

 

忍法その4:「スーパーと広告の共通点~導線とスペースマネジメントの術~」

前回は文字と配色のテクニックについてお話ししました。

では、第四回では、広告のどこに何を配置すればいいのかについてお伝えしていきます。

スーパーマーケットの商品配置は……

スーパーの食料品の棚をイメージしてみてください。あなたが店長だとして、品質や利益率が良くお勧めしたい商品Aと、比較してさほどお勧めしない商品Bがあるとします。

売り場の大きさを変更することができない場合、あなたは商品AとBをどのように配置するでしょう?

多くの人は商品Aを来店者の手に取りやすい位置に、かつ売り場を広くとって置き、商品BはAに比べて狭い売り場に配置するでしょう。

これを「棚割り」と呼びます。

この「棚割り」の原理、実はスーパーマーケットだけではなく、広告や宣伝にも使うことができるのです。広告や宣伝に対してこの棚割りを使用する場合、「スペースマネジメント」と言う名前で呼ばれます。
ただ、そう言われてもどう割り振っていいのかわかりませんよね。具体的な例を見てみましょう。

例えば、商品カタログを例に挙げてみましょう。もちろん、応用することによってホームページやチラシなどに高い効果を持たせることが可能です。

 

 

商品カタログの場合

例えば、このような4つの車両を販売したいとします。

このうち、もっとも人気のある商品はCの「イクオスワゴン」、次いで人気があるのはAの「ツチヤマミニ」。

Bの「パルサススポーツ」、Dの「RGB6クーペ」は比較すると売り上げが小さく、ちょうど売上は4:2:1:1の差となっています。

この場合、画像の配分例1のように均等に商品を割り振る方がいいのでしょうか?

それとも、配分例2のように商品によって不均等なページ配分を行う方がいいのでしょうか?

前提に挙げたように、商品の人気トップはC、次いでA。B、Dはそれに比べれば人気のない商品です。

ここから考えれば、顧客が欲しい情報は、Cのイクオスワゴン、次いでAのツチヤマミニのはず。

売上から考えてみれば、BやDに比べて4倍の顧客がほしがっているはずのCや、2倍の顧客がほしがっているはずのAの情報が、はたしてBやDと均等でいいのでしょうか?

そう考えれば、正解はおのずと配分例2とわかるでしょう。

もっとも売れているCはカタログの最初のページに、2ページ見開きで紹介されています。

続いて人気のAは1ページを使って紹介、そのあとにB・Dの2つの商品がページの半分ずつを使って紹介されています。

1ページに1商品が割り当てられているときよりも、顧客はより人気の高い商品がなんなのか簡単に理解できますし、欲しい商品の情報をたくさん手に入れられます。

このように、スペースマネジメントの考えにしたがって商品の人気に合わせたページ量を割く方法を「最適配分」と呼びます。

 

 

 

 

どの商品をどこへもっていくか?売れるためのページ構成とは

スペースマネジメントは店舗の棚割りの原理を活用したものとは、既に書きました。

さて、棚割りを行う時には、売り場の面積を考えることに加えて、もう一つ考えていたことがありました。売りたい商品は手に取りやすい位置に配置し、比較的優先度の低い商品はそれ以外の位置に配置することです。

では冊子を店舗とみなした場合、商品情報をその冊子のどこへ配置することで、販売が促進するのでしょう。先ほどのカタログを例に解説します。

では冊子を店舗とみなした場合、商品情報をその冊子のどこへ配置することで、販売が促進するのでしょう。先ほどのカタログを例に解説します。

スーパーが一番売りたい商品は、店舗入口のすぐ近くに配置されます。最後の

カタログにも、それと似た傾向があり、表紙からつづく、フロント部分のページがもっともよく見られます。その次に見られるのは最終ページで、中央部分を見る人の数はどうしても減少します。

このそのページを見る人数の割合を「客導率」と呼ぶことにしましょう。
カタログにせよパンフレットにせよ、重要な情報ほど客導率が高いページに、重要度が低い情報ほど客導率が低いページに配置する必要があります。

 

新商品を売り込む場合はどうすれば……

 

例えば、先ほどのカタログと少し条件を変えて、今回スポーツカーがバージョンアップし、完全な新商品になったとします。今回はぜひとも新しいスポーツカーを売り込みたい、でもまだ商品の売り上げが分かりません(新商品のため当然ですね)。

さて、この場合、どの程度のページを新商品に配分すればいいのでしょうか?

最適配分の考え方に従えば、売り上げと同じだけ配置をすればいいはずです。例えば、売上の3割を占める商品は、カタログの3割を使えばいいのですが、新商品は当然販売実績がありません。

ここで参考となるのは「パレートの法則(2:8の法則)」です。「全体の売上の8割が、2割の要素によって成り立っている」という有名なこの法則が、カタログにも当てはまります。

全体のうち2割を占めるページがあれば、8割の人がそのページを確認するのです。

なので、全体の20%を新商品に配分します。これ以下の割り当てでは、売り込みたい新商品への客導率が低下してしまいます。逆にこれ以上スペースを割り当てると、既存商品に割り当てられるページ数が減少し、客導率が下がってしまいます。

したがって、20%以下でも以上でもいけないわけです。

この20%値を「パレート最適値」と呼びます。

 

 

中央部分の定番情報はカテゴリ配列順を変えてはいけない

客導率が低いカタログの中央部分には、新商品などの比較・検討する商品ではなく、既存かつ固定の顧客が付いている商品の情報を配置する必要があります。

これを「定番情報」と呼びます。

定番情報は、顧客それぞれが目的にしたがって探し、たどり着くものです。

しかし、顧客が目的にしたがって探しても、カタログ側が検索機能の高い、探しやすい構造にデザインされていなければ、商品にたどり着けずにあきらめてしまいます。

スーパーマーケットで、頻繁に飲料や生鮮食品の置き場が入れ替わったらどうなるでしょう? お客様はどこに商品があるのか分からなくなってしまいますよね。
これと同じで、毎回カタログに載る商品情報の順番は簡単に入れ替えるべきではないのです。

そこで重要になるのが、配列順のルール化です。

カタログの改定の際、その都度、カテゴリの順が変わるとそのカタログを利用する方が混乱します。

例でいえば、前回のカタログが「ワゴン→コンパクトカー→スポーツカー→クーペ」というカテゴリ順になっていたのなら、今回も「ワゴン→コンパクトカー→スポーツカー→クーペ」の順番を守る必要があります。

たとえば5ドアワゴン商品の位置がフロントに来たり後方に下がってしまっては、カタログとして機能的とは言えません。つまり探しにくいカタログになってしまいます。

このような配置順序のルール化は、広告を作る側にとっても原稿を管理しやすくするので、早いうちにルールを作ってしまうことをお勧めします。

 

最終ページはハウツー・オーダーに使う

頭ページに次いで客導率が高い最終ページですが、購入行動をここで促すページにするのがいいでしょう。

つまり、第2回で書いた「ハウツー・オーダー」をここに載せるのです。

どうやって連絡すればいいのか、購入方法はどうするのか、店はどこか、資料請求先はどこか、などが解りやすくレイアウトされていなければなりません。

また、購入特典などもここに書かれていればよいでしょう。

 

忍法その4まとめ

スペースマネジメントを意識しよう

  1. 売り上げに合わせたスペース配分
  2. 売りたい商品は最初のページ
  3. 定番情報は順序を決めておく
  4. 最終ページにハウツー・オーダー

 

次回は配置について、もっと細かく……

今回はスペース全体の配分について簡単に説明しました。

次回はもう少し細かく、広告のどの位置に何を配置すべきなのか、導線をどう引いていくべきなのかについて解説していきます!

 

石山智男 略歴
1954年福岡市天神(中央区今泉)生まれ。1977年からプロダクションデザイナー、アートディレクターとして、広告制作、レタリングデザイン、パッケージデザイン開発等を担当。1992年からコカ・コーラ社マーケティングプログラムのガイド制作や実施活動支援を担当。「生産性の高い売り場づくり」実現のためのスペースマネジメントをカタログや店頭演出に応用した理論を構築。またクリエイティブワークをスピーディに行うための企業セミナーを開催。ブランディング領域でもイオンプライベートブランド「トップバリュー」のパッケージデザイン開発など多数。2012年から土山印刷に入社。マーケティングミックス・デザインワークのコーチングを担当。シニアホビーコンサルとして書道、楽器演奏、スポーツの楽しみ方の紹介活動を行っている。

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